ランナー膝

疲労からくるランナー膝やシンスプリント、足底筋膜炎の治療

人間の足は「骨の組み合わせ」と「それを補強する筋肉・靱帯」で上から掛かる体重に耐えています。通常は筋肉と骨の組み合わせが共同でして上からの力に耐えていますが、何らかの理由でどちらかが役目を果たせなくなると、もう一方がそれを補わなければならなくなります。
足部にはアーチ(土踏まず)と呼ばれるものがあり、これが機能すれば衝撃を吸収してくれますが、このアーチが潰れてしまうと衝撃吸収がしっかりとできなくなり、さらに骨の負担が大きくなり足底から中足部、下腿部の骨や筋肉に大きな負担がかかります。
このような状態が長時間続くと仕事量の増えた筋肉は徐々に異常を訴え始めます。異常の訴えは
「痛み」として膝やスネ(脛骨)の内側などに現れます。

ランナー膝はランニングによる膝関節周辺のスポーツ障害の総称で、様々な病態が含まれます。
狭義のランナー膝として腸脛靱帯が膝部外側で摩擦し、疼痛が発生する腸脛靱帯炎がランニング
による膝障害の代表です。膝の屈伸運動を繰り返すことによって腸脛靱帯が大腿骨外顆とこすれて
炎症(滑膜炎)を起こして、疼痛が発生します。
主因はオーバーユース(使い過ぎ)です。特にマラソンなどの長距離ランナー、バスケットボール、
バレーボール、サッカーなどに好発します。

シンスプリント(脛骨過労性骨膜炎)は、下腿内側に位置する脛骨下方1/3から2/3に痛みが発生することを特徴とします。片足または両足に発生し患部に触ると、局所の圧痛が認められます。
特に中学、高校、大学の新入部員が練習量が急に増えた場合に発症することが多いです。また、夏の合宿などでも発生頻度は高くなります。

足底筋膜炎はランニングがブームになり足の裏の足底筋膜と呼ばれる、幕のように薄く幅広い腱の障害です。踵の骨から足指の付け根の中間部に痛みがでます。足の甲の骨は弓状(アーチ)になって体重を支えていますが、アーチを弓の弦のように張っているのが足底筋膜である。丈夫な足底筋膜も歩行やランニング、ジャンプなどで使い過ぎたり、ハムストリングや下腿三頭筋などの抗重力筋に負荷が掛かった時に、アキレス腱が硬くなり足底筋膜が常に緊張状態になって引っ張られても痛みがでたりします。また、肥満や老化や偏平足によるアーチの機能低下なども原因になります。

治療としては、大腿骨外踝周辺の腸脛靱帯の炎症の解消や大腿筋膜張筋のストレッチと安静、
後脛骨筋(爪先を下と内側に曲げる)や長母趾屈筋(親指を曲げる)などの障害が考えられますので、筋肉の走行上の局所に鍼を刺入し丁寧にやってあげることも必要です。
また、腱や筋を調整し症状を解消するのを目的として、筋肉を収縮と弛緩をさせてマッサージを
局所的な筋肉の弛緩、関節可動域の拡大を目指して、膝・足首・中足関節部に施してあげることも
大事だと考えます。
足裏テーピング(Yの字)、足裏ヨコアーチテーピング、踵骨テーピングなども必要です。

ランナー膝
ランナー膝